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技術コラム

カシメリベットとは?種類と原理、実際の特注製品実績をご紹介!

名称と用途

カシメリベットとは?

カシメリベットとは?

リベットは、機械・装置の組み立てにおいて用いられる締結部品です。溶接やボルト・ナットによる締結に代わる恒久的な接合手段として重要な役割を果たしており、特に「高い耐振動性が求められる箇所」や「異種材料の接合」が必要な場合に採用されます。

「カシメ(加締め)」とは、リベットの一部を塑性変形させることによって、複数の部材を物理的に一体化させる締結技法(動作)を指します。

具体的には、部材(ワーク)の穴にリベットを通した後、軸部や先端に圧力を加えて潰したり広げたりすることで、抜け止めとなる頭部(カシメ代)を形成します。あらかじめ形成されている頭部(地頭)と、変形させた頭部(カシメ頭)でワークを挟み込むことで、強固な接合が実現します。

一般的に、この「カシメ加工」を行うための中空リベットや半中空リベットのことを総称して「カシメリベット」と呼ぶこともあります。

>>カシメ加工とは?メリットと特殊リベットの紹介!


リベット接合がボルト・溶接に比べて優位な点

リベット接合には、他の接合手法と比較して明確な技術的優位性があります。

高い耐振動性と緩み止め効果

ボルト・ナットは振動で緩むリスクがありますが、リベットは塑性変形による恒久的な結合のため、原理的に「緩み」が発生しません。振動が常態化している機械・装置において高い信頼性を確保します。

異種材料の接合が容易

溶接が困難な「金属と樹脂」や「異なる種類の金属同士」であっても、機械的に結合することができます。マルチマテリアル化が進む現代の装置開発において不可欠な技術です。

ソリッドリベット、ブラインドリベット、中空リベットの違い

リベットは構造とカシメ方法によって大きく3つに分類されます。それぞれの特徴と違いを理解することが選定の第一歩です。

ソリッドリベット(丸リベット・平リベット)

頭部と中身が詰まっている軸から構成される最も基本的な形状です。当社でも数多くの製品事例がございます。

特徴:せん断強度が非常に高く、航空機や鉄骨構造、自動車の重要保安部品など、大きな荷重がかかる箇所に使用されます。
施工:表と裏、両側からのアクセスが必要です。叩いて変形させるため、比較的大きな加工力が必要です。

ブラインドリベット

リベットのボディにマンドレル(芯棒)が通っている特殊なリベットです。リベッターという専用工具を用いて締結することができます。

特徴:片側からのみの作業で締結が可能です。手が届かない閉断面(パイプや箱状の筐体)への締結などに用いられます。
施工:リベッターで心棒を引き抜き、リベットを変形させて固定します。手軽ですが、ソリッドリベットに比べると強度は劣り、心棒が残る構造のためコストが高くなる傾向があります。

中空リベット

軸の先端がパイプ状(中空)になっているリベットです。当社でも数多くの製品事例がございます。

特徴: 比較的少ない力でカシメることができ、仕上がりの外観も綺麗です。
施工: 電子部品、文具、自動車の内装部品、プリント基板など、薄板や精密な締結が求められる箇所に多用されます。

カシメリベット選定における3つの課題

設計・開発の現場では、リベット選定において以下のような課題に直面することがあります。

課題①:締結後の「緩み」による信頼性の低下

ブラインドリベットなどは軸力(締め付ける力)が安定しにくく、振動による滑りを招くことがあります。また、樹脂や薄板のカシメ部では、クリープ現象(経年による変形)で締結力が低下する場合があり、材質とリベット形状の最適化が必要です。

課題②:薄板や樹脂材へ影響の考慮

薄板や樹脂への締結では、カシメ時の圧力でワークにクラック(ひび割れ)が入ったり、製品自体が歪んでしまったりするリスクがあります。 これを防ぐには、強い圧力をかけずに固定できる「スピンカシメ」等の工法選択や、応力を分散させる「段付きリベット」や「フランジ径の大きなリベット」といった選択肢もあります。

課題③:市販品の規格では満たせない「特殊な寸法・材質・精度」の要求

標準化されたカシメリベットでは対応が不可能な、カスタム化された要求仕様が求められる場合もございます。
複数の部品を一つのリベットに統合する段付きリベットや、特定の機能(スペーサー機能、電気的絶縁性など)をリベットに持たせる横穴付きリベットなど、規格外の特殊形状が求められるケースが増加しています。

また、一般的なリベットの公差では、高精度な位置決めや嵌合公差が要求される筐体部品、電子部品、光学機器、ロボット関節部などの精密機器への適用は困難です。この「市販品では満たせない精度」の要求に応えるためには、冷間鍛造後の精密な仕上げ加工技術を持つサプライヤーの選定が不可欠となります。

市販品では解決できない課題をクリアする当社のリベット製造の特徴

当社は、規格品にはない形状・サイズの特殊リベット製造に特化しています。「冷間圧造」と「切削加工」の双方に対応し、コストと精度のバランスが取れた最適な製品をご提案します。

規格品にはない形状・サイズの特殊リベット製造に特化

当社では、市販品のリベットでは満たせない、特殊な形状・材質のカシメリベットに特化して対応しております。冷間圧造技術と切削加工を駆使し、特殊リベットを製作いたします。冷間鍛造で成形後、段付き加工、頭部加工、溝加工、横穴加工などを切削にて行うことで、特殊形状のリベットを製作いたします。

研磨にも対応しており、研磨を行う場合は溝加工を行う必要がございますが、この溝加工をカム式旋盤で行うことで、安価に製造することが可能です。

また、規格品に追加工を行うことで、特注のリベットを製作することも可能です。

既存金型を活用した圧造(冷間鍛造)によるコストダウンの実現

ピンやリベットの全体形状から先端の加工までを、圧造(冷間鍛造)によって一貫加工することで、大幅なコストダウンを実現します。

当社では様々なサイズの金型を保有しています。これにより、新規に金型を起こすコストを抑えられ、冷間鍛造への工法転換や新規採用によるコスト削減につながります。

単品から数万個の量産まで対応。止め輪や割ピンなどの調達まで一貫対応。

単品から、数万個に及ぶ大量ロットの量産まで柔軟に対応いたします。 広範な協力企業ネットワークを活用し、熱処理や表面処理(メッキ)も含めたワンストップ対応により、数量に応じた最適な製造体制とコスト構造を構築いたします。また、止め輪や割ピンなど、止め金具など調達まで、当社で対応して取りまとめて納品することも可能です。

カシメリベットの製品事例をご紹介

中ツバリベット Φ3.9×7.2
中ツバリベット Φ3.9×7.2

こちらの製品は、プレス品にカシメて使用されます。従来は平リベットにE溝をつけて組立をされておりましたが、こちらの製品をカシメるように、設計変更をされコストダウンを実現しました。カシメ作業も依頼していただいております。

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鉄 Lリベット Φ7×28 ・Φ7×52.5
鉄 Lリベット Φ7×28 ・Φ7×52.5

こちらの製品は特注サイズでしたので、冷間圧造から製作しました。カシメてご使用になりますが、試作後に中空穴のサイズを決めたいとのことで、冷間圧造ではセンタポンチまでとし、ドリルにて数種類の穴径、深さでご用意しました。量産の際は金型内で穴明けを塑性加工で行うことで、安価になります。

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丸リベットΦ4.15×12

丸リベットΦ4.15×12

こちらは丸リベットΦ4.15×12です。こちらの製品は一般的なカシメのリベットになります。カシメの作業性がいいように、ナマシ材を使っておりますが、焼きなましをすることで、圧延性を出すこともできます。

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中空リベットΦ4×12

中空リベットΦ4×12

こちらの製品は、中空リベット(Φ4×12)です。冷間圧造にて中つばからストレート軸の穴あけまで成型したのちに、切削加工にて段形状にしております。

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